クリングルファーマは、慶應義塾大学との共同により、遺伝子組み換え肝細胞増殖因子(HGF)の脊髄損傷急性期患者を対象とした国内第I/II相試験を開始する。今月下旬から国内2カ所の脊髄損傷専門病院で登録を開始し、2016年10月まで実施する予定。脊髄損傷は有効な治療法がなく、年間5000人が罹患する難治性疾患。国内で実施する治験としては初となる。
HGFは、強い神経保護効果と神経細胞のみならずグリア細胞にも働きかけ、グルタミン酸トランスポーターを発現させ、グルタミン酸毒性を緩和させる。事故などの損傷による組織の1次傷害が、2次傷害を引き起こすのを抑制するため、抗アポトーシスや抗炎症性作用など様々な作用を発揮するのが特徴。既に筋萎縮性側索硬化症(ALS)については、東北大学で第I相試験を実施し、順調に推移している。
* 全文閲覧には 薬事日報 電子版 » への申込みが必要です。