全国屈指の実績と規模でサポート
神戸薬科大学では、2007年に公益法人薬剤師認定制度認証機構から西日本の薬系大学では初めて「生涯研修プロバイダー」として認証(G07)され、エクステンションセンターを設立した。医療の高度化と社会情勢の変化に伴って、薬剤師の業務は、医療チームの中での薬の専門家としての活動へと今後ますますシフトしていく。加えて、医療分野が日進月歩に進歩する中、卒後実社会で働く薬剤師は、時代に即応した医療レベルに継続的に応えていく必要がある。このような社会的要請に応えるため、エクステンションセンターでは、様々な事業を展開している。
神戸薬科大学エクステンションセンターでは「卒後研修講座」「リカレントセミナー」「健康食品講座」「薬剤師実践塾」の研修会を年間を通じて開催している。
全て公開講座となっているこれらの研修会は、あらゆる職域で活躍する薬剤師に対して豊富な生涯研修と情報を得る場として、生涯研修の円滑で効率的な推進と、薬剤師としての専門的資質のさらなる向上を継続的に支援する役割を担っている。
特に、「卒後研修講座」は、今年度で40回目を迎えたが、全国屈指の伝統・実績と規模を誇り、毎年700~800人の参加者を得ている。最新の医学・薬学情報を総合的かつ体系的に修得できるように編成した、学術的色彩の濃いユニークな研修講座である。
講師陣は全国的視野に立って選定され、斯界の第一線で活躍している研究者や臨床家を招き、総論・各論として6コマを構成し、これに薬剤師職能に関係する最近のトピックス(3コマ)が加えられている(全9コマ)
また、こうした研修会以外に旬の話題をテーマに取り上げ、先進的な活動や事業を展開している専門家がシンポジストとして参画し、総合討論を通じて医療現場の薬剤師に求められる問題について多角的な議論を展開するシンポジウムも実施されている。

先日、第7回シンポジウムが開催され、「がんのチーム医療」をテーマに200人近い参加者を迎え、非常に有意義な討論が展開された。
エクステンションセンターでは、12年度から新たな取り組みとして、“「在宅医療」を支援する指導薬剤師養成プログラム”を企画している。同プログラムは、専門的知識や技術を鍛え薬物治療のリスクマネージャーとしての実践力を備えた、在宅医療を支援する指導薬剤師養成を目的としたもの。
同センターの杉浦佳子課長補佐は、「このプログラムの受講者が医療現場に赴き、多職種と連携を図る実習を通して、スキルアップと地域医療機関で在宅実務実習・臨床研究に取り組む学部教育プログラムに指導者として参画する指導力養成内容を有機的に組み入れている」と説明する。
具体的には、垂水区医師会の協力を得て、診察室訪問・患者宅同行、看護ステーション・介護施設等医療現場に赴き、薬剤師以外の職種の業務を知り、薬剤師としての質の高い専門性を生かした技術を学び、医療提供などの研修を行うプログラム内容になっている。
在宅医療には薬剤師業務の役割を決めたマニュアルはないため、「薬剤師が実際に他の医療職種と共に在宅医療に携わり、多職種の中で薬剤師が何ができるかを考えて、専門職として職能を発揮することを目指している」(杉浦氏)
これまで2年間で10人の指導者が誕生しており、各臨床の現場で在宅医療や薬学生の薬局実務実習で研修成果を発揮している。杉浦氏は、「今後は、地元の医師会の協力を得ながら、指導薬剤師を増やしていきたい」と強調する。
杉浦氏は、生涯研修支援プログラムの今後の展開にも言及し、「同窓会との協力の下、グループワークや実践的な研修をプログラムに取り入れ、実際の医療現場の薬剤師の資質をレベルアップする研修会を企画したい」と抱負を述べる。
神戸薬科大学エクステンションセンター
http://www.kobepharma-u.ac.jp/extension/