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薬局機能拡大には地道な努力を

2014年9月8日 (月)

 国際薬剤師・薬学連合(FIP)の副会長の1人として、日本薬剤師会の山本信夫会長が選出された。今回、会長以下、4人の副会長を選ぶ選挙が8月末からバンコク(タイ)で開催された第73回FIP国際会議の評議会で実施された。候補者13人という厳しい選挙戦を制し、上位当選を果たした。2度目の挑戦が実を結んだ。

 FIPは1912年に設立され、今年で102年目を迎える。世界の90カ国・地域から薬学、薬剤師を代表する126団体で構成される。WHO等国際機関や世界医師会など国際組織と連携を図りつつ、薬剤師・薬学研究者の資質・地位向上に努めると共に、薬科学を背景とした様々な声明等を発信。洗練されたプログラムによる教育・研修の充実にも努めている。

 日本からは日薬のほか、日本薬学会、日本薬剤学会、日本病院薬剤師会の4団体が加盟している。今春来日したリュック・ブザンソン事務局長に対する本紙単独インタビューでも、日本は非常に重要な国との認識を示し、特にサイエンス部門は非常に重要なパートナーとの認識を示した。

 実際、FIPの学術部門から日本の薬学研究者が複数人、副会長を務めた。その中には、東京大学初代薬学部長で、かつて医療政策等において絶大な権力を持っていた日本医師会の武見太郎会長と渡り合い、日医に医薬分業へと舵を切らせた石館守三氏(19代日薬会長)ら高名な薬学研究者が名を連ねる。その中にあって、日本人として初めて、開局薬剤師の立場で山本氏がFIP副会長に就任した。

 前FIP会長のブフマン氏は薬学研究者、専門職教育者を経て薬局実務に就き、薬学を現場に生かし、地域開業医と連携し、“トリアージ”を実践、薬剤師による「患者ケア」の重要性を強調している。

 もちろん、単独で薬剤師、薬局ができることではなく、医師をはじめとした医療従事者との良好な協力関係が必須。そのために地道な努力を続けられたと思われる。医師と薬剤師との関係において日本だけが特殊ではないからだ。

 4月から厚生労働省が臨床検査技師法の告示を改正、薬局等での自己血糖測定が可能となったが、日医の鈴木常任理事は直近の会見でOTC検査薬の拡大との関係で「薬局等での血液検査に反対」との考えを表明。「セルフメディケーションは医師が関与すべき」とした。当然であろう。

 ただ、薬局等での検体測定は、あくまで医療機関との連携を前提にした「健康寿命を延ばすためのスクリーニング」だ。今後の薬局機能の一つではあるが、既存の枠組みを考えれば、丁寧な説明と信頼感が必須だ。

 日本の会長のみならず、世界の副会長に就任した山本氏には、外に向けては、ぜひ「世界」を踏まえた薬局・薬剤師の役割について関係団体の理解を求めたい。内に向けては今後の方向を示し、世界に近づけるリーダーシップを期待したい。




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