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人類の叡智結集し感染症対策を

2014年9月12日 (金)

 医薬品業界専門紙の小紙社説といえども、この話題に触れないわけにはいかないだろう。テニスの錦織圭選手が、日本人初の快挙となる4大大会の全米オープンで準優勝を遂げ、日本中が歓喜と落胆に包まれた。残念ながら初の優勝はお預けとなったが、このフィーバーをきっかけにスポーツへの関心が高まれば喜ばしいことだ。

 全米オープンで忘れてはならない日本人選手がもう一人。女子ダブルスで自身初となる準決勝まで進んだクルム伊達公子選手である。御年43歳は、常識的な一流テニス選手としての年齢をはるかに上回っており、4大大会のセミファイナルまで戦ったことは驚異としか言いようがない。これは例外中の例外だろうが、アスリートではない一般人のスポーツはそれこそ年齢は関係ないのだから、存分に楽しむべきだ。

 ストレスを癒すと共に、運動不足を解消するジョギングやウォーキングをするのに適した場所である公園だが、東京では一部の公園が閉鎖に追い込まれている。約70年ぶりに国内感染が確認されたデング熱のせいである。

 10日11時現在、94人の感染が確認されている。主な感染場所と考えられているのは代々木公園周辺で、90人と圧倒的に多いが、その周辺の新宿中央公園や神宮外苑か外濠公園で各1人、さらには千葉市などでも確認された。

 蚊を媒介するため、ホットスポットを閉鎖して殺虫剤で駆除しても、ウイルスに感染した人が移動しては感染防止の効果が薄い。事実、感染者は全国へ移動しており、その地域での二次感染が心配だ。

 厚生労働省の資料によると、フラビウイルス科フラビウイルス属のデングウイルス(1~4型)を病原体とするデング熱は、蚊を媒介して感染するがヒト―ヒトの直接感染はない。潜伏期間は2~15日で多くは3~7日のようだ。

 症状としては、突然の高熱で発症し、頭痛、眼(窩)痛、顔面紅潮、結膜充血を伴い、発熱は2~7日間持続する。初期症状に続いて、全身の筋肉痛、骨関節痛、全身倦怠感を呈し、発熱の3、4日後には胸部、体幹から発疹し、四肢や顔面に広がる。また、ほとんどの症状は1週間程度で回復するが、ごく希に一部の患者では重症化し、血漿漏出に伴うショック症状と出血傾向を呈する致死的な病態が出現することもあるというから、侮れない感染症だ。

 特異的な治療法はなく対症療法が主体で、有効な抗ウイルス薬もないのが現状で、さらに、実用化されたワクチンもない。世界的に抗ウイルス薬やワクチンの開発が進められており、一刻も早い実用化を期待したい。

 アフリカで猛威を振るっているエボラ出血熱もそうだが、感染症という人類の驚異は有史以前から次から次へと襲ってきた。これまでの歴史と同じく、人類の叡智を結集して乗り越えていかなければならない。




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