◆「iPS細胞由来組織を使った安全性評価ができれば、動物試験はいらなくなる」。製薬企業のMRの言葉を聞いて、思わず絶句してしまった。大きな誤解である
◆ヒトiPS細胞から分化させた組織に、医薬品候補物質を投与し、副作用を引き起こすかどうかを検証する。ヒト細胞であるため、臨床試験で得た安全性データとの再現性が高いのは理解できる。しかし、非臨床試験がiPS細胞などを用いたインビトロ試験で全て代替できると本気で思っているのだろうか
◆薬物の体内動態を調べていくと、代謝される過程で毒性の強い代謝物に変換される場合もある。思いもよらない副作用リスクを消していくために、生体内での評価が必要になる。細胞レベルだけで副作用を予測するなどできるわけがない
◆できる限り動物を使わず、医薬品を評価できるようになるのは全ての人たちが望むところであり、その方向で技術開発が進んでいる。だからこそ、非臨床試験、動物試験が存在している理由を業界全体で噛みしめてもらいたい。
非臨床試験、動物試験の存在理由
2014年10月24日 (金)
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