2006年「社会医療診療行為別調査」結果が公表された。それによると、医科総点数に占める投薬、注射、その他の診療行為中の薬剤点数割合を示した「医科薬剤料比率」は21.7%で、前年と比べ0.4ポイント減少した。06年は診療報酬と薬価改定があったため、この影響で低下したものとみられる。
医科薬剤料比率は、95年に31.0%を記録して以降、減少傾向をたどってきた。最近の5年間では、02年が21.6%、03年は診療報酬改定がなかった上、02年改定で導入された長期投薬制限の原則廃止や外来化学療法加算が普及するなどしたため、8年ぶりに22.2%に上昇。しかし04年は逆に、薬価基準引き下げなどの影響で21.6%と減少。改定のなかった05年に再び22.1%に上昇するなど、診療報酬改定の有無によって薬剤料比率が増減を繰り返してきた。ただ、この5年間は一貫して22%前後の数字に収まっており、落ち着きつつあるともいえそうだ。
06年の実績では、総数は投薬が14.3%(前年13.9%)、注射が5.1%(5.9%)、その他薬剤料が2.3%(2.4%)だった。
また、▽入院が11.2%(12.3%)に対し、入院外が33.0%(33.5%)▽一般医療が21.7(21.7%)に対し、老人医療が21.8%(22.8%)▽病院が18.6%(19.2%)に対し、診療所は29.2%(28.9%)””の割合だった。
ただし、薬局調剤分を医科と歯科に分け、それぞれを医科・歯科分に合算すると、薬剤比率は前年より0.1ポイント減の28.6%(投薬22.5%、注射4.4%、その他薬剤料1.7%)となる。歯科は1.2%である。
院内処方の入院外投薬レセプト1件当たり平均薬剤種類数は3.55種類(一般3.28種類、老人4.30種類)。1件当たりの薬剤種類数に占める後発医薬品の種類数は0.85種類(一般0.77種類、老人1.07種類)だった。
一方、入院外投薬の種類数は、一般医療では「102種類」が46.9%と最も多く、以下「304種類」が29.7%、「506種類」14.0%、「7種類以上」9.3%と続いている。老人医療もトップは「102種類」で35.2%、以下「304種類」27.2%、「506種類」17.2%、「7種類以上」13.5%の順。
◇保険薬局の点数も減少◇
保険薬局における調剤行為は、レセプト1件当たり点数が959.0点で、前年に比べ0.3%減少した。処方せん受け付け1回当たりでは666.5点で、前年に比べ0.8%の減だった。
一般医療、老人医療別にみると、1件当たりは、一般医療が822.1点、老人医療1362.0点。処方せん受け付け1回当たりでは、一般医療594.3点、老人医療850.1点で、いずれも老人医療が高い。
薬局調剤の受け付け1回当たり点数の内訳は、[1]薬剤料476.3点(前年比1.3%減)[2]調剤技術料152.8点(0.6%増)[3]薬学管理料36.7点(0.3%減)[4]特定保険医療材料料0.6点(27.8%減)””となっており、総点数に占める薬剤料の割合は71.5%だった。
これを一般医療と老人医療の別にみると、一般医療では薬剤料が70.0%、調剤技術料23.7%、薬学管理料6.2%の割合を占めている、老人医療ではそれぞれ74.1%、21.6%、4.2%の割合だった。いずれも薬剤料が約7割を占めるが、薬剤料の割合は老人医療が高く、調剤技術料、薬学管理料の割合は一般医療が高い結果となった。
薬局調剤におけるレセプト1件当たりの平均薬剤種類数は3.88種類(一般医療が3.59種類、老人医療が4.74種類)。後発医薬品の平均薬剤種類数は0.62種類(一般医療0.56種類、老人医療0.80種類)だった。
なお、院外処方率は3年連続で50%を超え、06年は前年より1.9ポイント上昇し54.6%となった。院外処方率は病院が62.3%(前年61.1%)、診療所51.7%(49.5%)で、診療所は初めて50%を突破した。