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ヒヤリ・ハット防止、日ごろから努力を

2014年11月7日 (金)

 日本医療機能評価機構は10月30日、2008年から実施している薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業の13年年報を公表した。

 同事業の目的は、「薬局から報告されたヒヤリ・ハット事例等を収集・分析、提供することにより、広く薬局が医療安全対策に有用な情報を共有すると共に、国民に対して情報を提供して医療安全対策の一層の推進を図ること」とされている。

 報告・収集する内容は、医薬品、特定保険医療材料に関して、薬局で発生、発見された[1]医療に誤りがあったが、患者に実施される前に発見された事例[2]誤った医療が実施されたが、患者への影響が認められなかった事例または軽微な処置・治療(消毒、湿布、鎮痛剤投与等)を要した事例[3]誤った医療が実施されたが、患者への影響が不明な事例――であり、報告期限は事例を認識した日から原則1カ月以内で、インターネットの専用報告画面で報告することになっている。

 13年には、同事業に参加している薬局数7892軒中661軒から、5820件の報告があった。発生状況は、毎月400~600件程度で、曜日別では月~金の平日で9割を占めているが、顕著なのは時間帯だ。他の時間帯に比べて10時から11時59分までが圧倒的に多く2195件、次いで12時から13時59分が1089件だった。この時間帯に患者が集中していることがうかがえる。

 事例別では「調剤」が86・2%と最も多く、内訳は「数量間違い」「薬剤取違え」「規格・剤形間違え」「調剤忘れ」が上位となっている。発生要因は、「確認を怠った」「勤務状況が繁忙だった」が2大ファクターとなっている。

 報告では、名称類似、一般名処方、ハイリスク薬、疑義照会、「共有すべき事例」の再発・類似事例、同種同効薬の重複処方、医薬品添付文書上の禁忌、個別薬剤の8項目関するヒヤリ・ハット事例について分析が行われている。

 中でも疑義照会に関する概要は本紙既報の通りだが、薬局から報告された主な改善策としては、▽必ず薬歴で併用薬との重複を確認する▽同一成分薬でも用量・用法・効能が違うものがあり、添付文書等で認識する▽患者への説明時に患者と一緒に確認しながら交付する▽添付文書をすぐに見ることができる場所に整理した▽薬剤の棚に禁忌のある薬剤に関しては注意喚起のシールを貼った――などがあったようだ。

 報告書でも「疑義照会は医薬品の適正使用において重要な業務であり、また、医師が処方した処方箋を薬剤師がダブルチェックすることにより処方の誤りを発見することは、医薬分業の重要な意義の一つであり、適切な疑義照会の実施が必要である」と指摘している。

 医療や医薬品におけるヒヤリ・ハットの発生は、日々の努力と細心の注意によって改善していくしかない。関係者の意識と行動に期待する。




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