上田薬剤師会はオーストラリア薬剤師会(PSA)のコンサルタント薬剤師であるリリー・チョン氏を講師に招き、11月23、24の両日、上田市で「認知症在宅患者服薬支援のスキル向上と連携のためのワークショップ」(WS)を開催した。実際のケーススタディを交え、認知症の病型、認知症の評価と診断(簡便なスクリーニング検査など)、認知症患者・介護者へのケア・対処法、薬剤使用、認知症の行動心理症状(BPSD)に関する講義の後、症例について小グループでの討論とグループ発表も行った。チョン氏は認知症を「早期に発見することが薬剤師の果たすべき役割」とし、症状進展の予防につなげていくことの重要性を指摘。また、評価に当たって検査値を読み解くことの重要性を指摘しつつも「患者を見る」こと、さらに仕事を文書に残すことの必要性を繰り返した。なお、ディレクターの坂巻弘之氏(東京理科大学教授)は、来年度も認知症を中心に在宅薬剤管理に取り組みたいとした。
同地域でのWSは4回連続で開催されてきたが、今回は佐藤製薬財団からの助成等を受けて開かれたもので、長野県内外から34人が受講した。受講者には医師やケアマネージャー、薬学生も参加したほか、厚生労働省や薬科大学、地域の訪問看護師らもオブザーバー参加した。同地域では2010年度以降、OTC薬の適用、在宅医療など、より実践的な内容による厚労省「薬剤師生涯教育推進事業」をはじめ、各種研修会やワークショップを展開してきた。
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