薬学生対象の説明会、国試受験後に実施
薬剤師を中心に医療系人材の紹介業を手掛けるユニヴは、数年前から薬学生のための就職活動支援サイト「ファーネット」(http://www.pha-net.jp/)を、年度ごとに立ち上げ、学生と薬局、ドラッグストア、病院などとマッチングさせる取り組みを進めている。さらに、来月の薬剤師国家試験受験後の薬学生などを対象に、全国5会場で、調剤薬局やドラッグストアなどの大手や地域有力企業を集めた「合同説明会」、同社コーディネーターによる「就職相談会」などのイベントも実施していく構えである。
国家試験直後の就職イベントは、同社として初めての試みとなるが、こうしたイベントを実施する背景には、昨年合格率が低下した薬剤師国家試験の影響も大きい。同社企画営業部マネージャーの中西拓也氏は「昨年、企業側が内定した薬学生の中で国家試験に落ちた数は例年以上に多かった。このため学生側も就職活動よりも国試合格に専念する動きが見られるようになった」と話す。そこで、試験終了後から就職活動イベントを行うことを考えた」と話す。
合同説明会は、3月上旬にかけて大阪、愛知、広島、東京、福岡の各会場で約15~20社ほどの企業を集める。地方や中小の薬局や病院では新卒採用が難しいといわれる中で、直接、企業採用担当者が学生と対話することで、企業の雰囲気・魅力をじかに伝えることができ、双方のミスマッチもなくすことができる。同説明会には、既卒の転職希望の薬剤師もエントリーできる。
また、同時並行で行う「就職相談会」は全国35都道府県で会場を設定し、今年の国家試験受験者や、転職を希望する薬剤師を対象に就職についての悩みや不安に、同社所属の10人のコーディネーターが対応。「仕事とプライベートを両立したい」や「在宅医療に特化した薬局で働きたい」といった希望やキャリアビジョンに合致する企業を案内する。
3月1日から立ち上げる「ファーネット2016」では、就職活動や新卒採用に取り組む地域の薬局や病院など約550法人(薬局100、病院450)を紹介。登録薬学生も約4000人と順調に推移する。「ファーネット」は、地域に焦点を合わせた細やかな情報を掲載。実際に店舗で働くOG、OBのコメントや職種や事業形態、勤務地、エリア別など様々な切り口での検索も行えるなど、企業をイメージしやすい。
その延長線上の就活イベントである「お仕事ラボ」は、5年生を対象に採用担当者が納得のいく対話ができることをコンセプトに、大手企業や地域の優良企業などが行う企業説明会。3月中旬以降、全国5会場で開催する予定である。「5会場以外の地域の学生に対しては、希望ニーズがあれば全国どこへでもコーディネーターが伺い対応する」(中西氏)という。
就職関連イベント以外に、同社登録薬剤師を対象に、▽在宅医療▽ライフプラン▽独立支援――の各セミナーを開催し、好評を博している。特に在宅医療セミナー自体は、日本在宅薬学会理事長の狭間研至氏(ファルメディコ社長)を講師に迎え開催。「興味はあるが、実際にどのようにすればいいのか分からない」「勤務する薬局では取り組みをしていない」といった薬剤師の声に対応し、在宅医療を知る機会を得ると同時に、積極的に取り組む薬局の紹介にもつなげる考え。
中西氏は「今後は、若手薬剤師向けのセミナーなどニーズに合致するセミナーの開催も検討中。当社と関わることで、知識や経験を積め、薬剤師としてさらに活躍できるような支援をしていきたいと考えている。薬剤師との接点を増やし、有意義な機会をできる限り作っていきたい」と展望する。
ユニヴ(ファーネットキャリア)
http://career.pha-net.jp/