米ファイザーは6日、アイルランドのアラガン買収を断念したと発表した。ファイザーは統合後、本社を米国からアイルランドへ移転させる計画を打ち出していたが、米財務省が4日、米企業に対し、租税回避のために法人税が低い国への本社移転を認めない措置を発表したため、買収契約を解消した。ファイザーはアラガンに対し、1億5000万ドルを弁済費用として支払う。買収額約1600億ドルと日本円で約20兆円近いM&Aとして注目を集めたが、あえなく白紙となった。
アラガンの2015年売上は約91億ドル。買収が成立していれば、ファイザーの公表収益と合わせて約580億ドルに達し、医薬品業界でトップ企業の座を確実にしていた。ファイザーがアラガンを獲得するもう一つの大きな狙いが、統合会社の本社機能を法人税が高い米国から法人税が低いアイルランドに移転させ、安定した経営基盤を構築することだった。
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