抗菌薬の吸入療法として、人工呼吸器関連の肺炎患者に対して専用器具を用いた新薬が開発段階にあることが15、16の両日に仙台市で開かれた第90回日本感染症学会総会で、賀来敬仁氏(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科病態解析・診断学)から報告された。日本では、抗菌薬の吸入療法について、添付文書上では緑膿菌感染症に対するトブラマイシンをはじめ、アムホテリシンB、ペンタミジンイセチオンの3剤しか認められていないが、アミノグリコシド系抗菌薬を中心に吸入薬としての治験が最終段階に入った品目もあり、新たな選択肢の一つとして登場が近づいている。
抗菌薬の吸入療法をめぐっては、難治性緑膿菌気道感染症に対するアミノグリコシド系抗菌薬を中心とした治療が行われているのが現状だが、わが国では添付文書上、トブラマイシン、アムホテリシンB、ペンタミジンイセチオンしか吸入が認められていない。
【お詫びと訂正】
記事初出時、「吸入量法」と記載しておりましたが、「吸入療法」の誤りでした。お詫びして訂正いたします。
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