ディペックス・ジャパンがウェブサイトで公開する患者や家族の語りを、薬学生の教育に活用する薬系大学が増えつつある。動画や音声で患者の肉声を視聴し、その病気になった人の気持ちを薬学生に理解してもらうことが目的だ。薬学教育現場への活用を先導してきた後藤惠子氏(東京理科大学薬学部)は5月28、29日に名古屋市で開かれた日本ファーマシューティカルコミュニケーション学会大会で実践例を報告。患者に寄り添い、配慮することを真剣に考えるようになる効果が見込まれると語った。
ウェブサイトで公開されているのは、英国のオックスフォード大学の研究グループが開発した手法を用いて作られた日本版の「健康と病いの語りデータベース」。現在、認知症、乳がん、前立腺がん、大腸がん検診について数十人ずつ、患者や体験者、家族の語りを視聴できる。病気と向き合うための情報と心の支えを患者や家族に提供したり、医療者の教育に役立てたりする社会資源としての活用が期待されている。
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