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後発品バネに薬剤師職能確立へ

2007年12月19日 (水)

 来年度の調剤報酬を含めた診療報酬改定が年末の予算編成に向かって大詰めを迎えている。中央社会保険医療協議会という表舞台と共に、水面下では与党との折衝も行われている。日本薬剤師会の関係者も情報収集と対策に追われる毎日が続いているものと推察される。特に今回は将来の大きな“市場”である後期高齢者医療制度の問題もあり、厳しく難しい“交渉”が続きそうだ。

 まずは改定率が当面の課題である。自民党社会保障制度調査会の鈴木俊一会長によれば、「薬価改定1%引き下げ(医療費ベース)」が、診療報酬改定の拠り所という。年明けの点数配分については、[1]産科、小児科など疲弊分野[2]勤務医の負担軽減[3]癌、脳卒中対策[4]後発品の使用促進――に重点化されるとの認識を示している。

 調剤が関わる分野は、4番目の「後発品の使用促進」に尽きる。8年間に渡って続いた診療報酬のゼロ、マイナス改定の影響は、医科を中心にした医療体制“救済”に照準が合わされ、「調剤」は蚊帳の外、あるいは削減対象のような動向が見え隠れという状況にも映る。

 しかし、今回の改定で大きく取り上げられている「後発品の使用促進」は、政府・与党の方針だけではない。今月初旬には民主党も「医薬品適正使用促進議員連盟」を発足させ、後発品に対する理解を深め、普及・促進に向け活動する方針を打ち出している。まさに国を挙げて「後発品の使用促進」が推進される環境となった。

 既に処方せん様式は再見直しにより、後発品処方を原則とすることが決まった。山本信夫日薬副会長の発言にもあるように、「薬剤師の知識と能力を生かし、薬剤の効果を患者に十分説明し、必要な薬剤を選択できるようにすることは大変厳しいが、職能を発揮する方向」と評価されている。

 さらに、療養担当規則が改正され、後発品の情報提供が義務化される。合わせて、現在審議中の診療報酬改定においても、後発品を一定以上調剤している薬局に対する加算が新設される。その代わりに調剤基本料が引き下げられる方向になった。

 国の号令に従い、処方せん様式の変更も含め、薬剤師には法的、経済的な面からも“規制”がかけられ、「後発品使用の促進役をせよ」と突きつけられた格好だ。これまで“使用促進のネックが薬局”というような論議もあったが、今回は説明責任から在庫まで負担が大きく、後発品対策は薬局の死活問題にまで発展したと言えよう。

 厚生労働省は「調剤基本料を全て下げた上で、後発品調剤率30%以上を達成している薬局は加算しメリハリをつける」方針であり、ついに本丸に手をつけられてしまった。従来の引き下げ項目と比べて、影響は大きいものと予想される。

 日薬の主張にもあるように漢方薬や向精神薬など、「薬局の都合によらず、後発品を扱うことが少ないケース」には十分な措置が望まれる。

 14日の中医協総会には診療・支払両側から要望書が提出された。調剤報酬に対する支払側の意見を見ると、重複投与のチェックや服薬管理・指導、患者への情報提供といった薬局・薬剤師の基本的な機能や役割を明確にした上で、調剤基本料の見直しを求めている。

 こうした厳しい状況であるが、後発品での成果・実績を世間に示さなければならない。今こそ薬剤師職能を発揮できるよう、組織的な支援が必要だ。




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