独自の文化として発達してきた散剤(粉薬)の技術を生かし、日本が小児用製剤開発で世界をリードしていけるのではないか――。11~12の両日、都内で開かれた第43回日本小児臨床薬理学会学術集会では、散剤をめぐる課題と薬剤師の役割が議論された。世界的に薬剤師が散剤を1回分ずつ分けて調剤し、子供に投薬しているのは日本だけで、独自の技術と調剤文化を発展させてきた経緯がある。こうした背景を踏まえ、日本の技術を生かした小児用製剤の開発と薬剤師による散剤のエビデンス発信が求められた。
国立成育医療研究センターの石川洋一薬剤部長は、散剤に関して「エビデンスはあまりない」としながらも、「日本独特の文化で、米国や欧州では液剤が基本」と解説。わが国では、分包機が開発される前から薬剤師が薬包紙を折って1包ずつ散剤を調剤してきた技術があったため、子供に1回分ずつ服用させることができたと強調した。
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