安全性研究所出身として新薬開発で“独自色”発揮
非臨床部門を担う安全性研究所所長出身としては、異例の社長就任となった第一三共の眞鍋淳氏。本紙のインタビューに対し、癌領域を中心とした新薬創出を最重点課題に挙げ、「日本の研究所から新薬を創出していく」との強い決意を語った。中でも、日本の研究所発で自社技術から生み出した期待の抗HER2抗体薬物複合体(ADC)「DS-8201」が起爆剤だ。「研究者時代には、開発品が一つ出ただけで社内の雰囲気が変わり、研究者のやる気が高まる好循環を何度も経験してきた。8201はそんな開発品だ」と自信を見せる。さらに、「過去に非臨床段階で開発中止したプロジェクトのうち、いくつかの品目についてはまだ可能性があると思っている」と述べ、“開発中止プロジェクトの復活”を検討する考えを明らかにした。
自社ADC「DS-8201」‐癌の第一三共へ起爆剤
新薬開発をめぐっては成功確率が低下の一途をたどり、苦境に立たされる製薬各社。特に日本の研究所には“本当に新薬を生み出せるのか”という閉塞感が強い。そんな中、第一三共は4月から、前社長の中山讓治氏が代表権のある会長兼CEO、眞鍋氏が社長兼COOと経営のツートップ体制を始動させた。2025年には循環器から癌のグローバル創薬企業の実現を目指す中、眞鍋氏が新薬開発候補品で期待するのが第I相段階にある日本発ADC「DS-8201」だ。
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