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薬局を生活習慣病予防の場に

2017年6月9日 (金)

 健康サポート薬局には「安心して立ち寄りやすい身近な存在として、地域包括ケアシステムの中で、多職種と連携して、地域住民の相談役の一つとしての役割を果たす」ことが求められている。

 地域住民の健康意識を高め、国民の病気の予防や健康サポートに貢献するための具体策では、「要指導医薬品等の供給機能や助言体制」「健康相談受付」「受診勧奨・関係機関紹介」などが考えられる。その中で、健康相談や受診勧奨においては、「生活習慣病予防のための有用な検査方法やその検査値の活用の把握」が必要不可欠となるだろう。

 せっかく会社等の定期検診を受けても、その結果が置き去りにされているのは珍しくないのが現状だ。

 検診結果をもとに、生活習慣の改善、医療機関への受診が望まれるが、毎日の忙しさにかまけて放置したままになり、気がつけば重篤な疾患へと進展してしまったという話もよく耳にする。

 特に、癌や心筋梗塞・脳梗塞などは、検診結果を置き去りにしたばかりに取り返しのつかない事態に陥る可能性が高い。薬剤師による「体のちょっとした変化」や「検査値異常」のアドバイスが、早期発見・治療につながるのは言うまでもない。

 生活習慣病予防では、どのような有用性の高い検査方法があるのか。動脈硬化の現状把握では、「頸動脈超音波検査」が繁用されている。頸動脈に着目するのは、頸動脈の血管の肥厚具合と疾患発症リスクを疫学的に示すデータが多いためだ。頸動脈は頭につながっているため、脳梗塞のリスクも把握しやすい。脳梗塞のリスクが高いと判断されれば、頭のMRI・MRA検査が実施される。

 最近、心筋梗塞や心不全発症に関与する冠動脈の評価では、冠動脈造影検査が用いられている。同検査は、注射で造影剤を投与して心臓のCT検査を行い、得られたデータを解析するもので、非侵襲的に血管内の状況をかなり詳しく把握できる。以前は心臓カテーテル検査しかなかったため、検診としては患者の負担が大きかった。

 わが国の癌の3大死因である肺癌、胃癌、大腸癌の検診も重要だ。肺癌は、検診時のレントゲン検査のみでは判断が難しいが、喫煙者でもCT検診を受ける人が少ない。

 また、喫煙と関連の薄い肺腺癌なども存在するため、「非喫煙者でも肺癌のリスクがある」ことをしっかりと認識しておく必要がある。

 胃癌は、その99%以上がピロリ菌陽性患者だ。従って、胃癌のリスクを測るには、まずピロリ菌の有無を検査すればよい。たとえ、ピロリ菌陽性であっても除菌をすれば発癌リスクを低減できる。

 具体的なピロリ菌検査にABC検診(胃癌リスク分類)がある。胃癌のリスクをA~Dの4段階に分類して評価するもので、B~D判定では、内視鏡検査または除菌療法の選択肢が出てくる。

 また、若い人ほど疾患に罹患するリスクは低いが、子宮頸癌、乳癌は、若年発症も少なくない。健康サポート薬局をはじめとする地域の薬局では、これらの検査方法の特徴を十分に把握し、個々の利用者に合致した指導を行って、癌や生活習慣病の早期発見・予防・治療につなげてほしい。




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