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“多品種少量生産”見直す時期

2017年7月28日 (金)

 日本のジェネリック医薬品(GE薬)メーカーに特有の“多品種少量生産”。そのビジネスモデルを本格的に見直す時期に来ているのかもしれない。

 武田テバは今月、製造販売しているGE薬53成分103品目の販売を来年3月で中止すると発表した。不採算品などの経済性を理由にした販売中止ではないとしているが、多品種少量生産体制は多少なりとも足かせになったのだろう。

 吹き続ける追い風もいつかは止む。多品種少量生産のビジネスモデルを、今後も各社が維持し続けるのは難しくなるはずだ。

 短期的にはGE薬メーカーの業績は好調だ。6月に国が示した「骨太の方針2017」には2020年9月までにGE薬の数量シェア80%の達成を目指すことが改めて盛り込まれた。国の後押しを受けてGE薬の使用は進み、各社は売上を伸ばすだろう。

 問題は80%を達成した後の展開だ。もはや必要ないとして国の使用促進策は縮小する。市場は飽和し、各社の売上の伸びは鈍化する。初収載時の薬価が段階的に引き下げられてきた影響や、メーカー間の競争激化もあって、数量は伸びても利益はそれほど伸びない。そんな時代を迎える可能性が高い。

 現段階でも各社は、赤字だったり、利益率が低かったりするGE薬を抱え込んでいるという。儲かる時だけ売って、利益率が低下すれば販売を中止するという姿勢では信頼は得られない。安定供給責任を果たすため、採算が悪化しても容易に販売を中止できない。また、競争を勝ち抜くには品揃えを強化する必要がある。日本市場に多数のGE薬メーカーがひしめき合い、同じ戦略をとるために多品種少量生産を避けられない。

 多品種少量生産は、製造コスト増を招く。製造設備の切り替えや洗浄も必要で生産効率も悪い。増収増益が続く間はやり過ごせたとしても、売上や利益の伸びに陰りが見えてきた途端に、そのデメリットが重くのしかかる。

 あるGE薬メーカー関係者は「今は基本的に各社が自前で開発、製造し、営業体制を構築しているが、限界を迎えている。これが今後も持続可能とは思えない。大手のGE薬メーカーは自前主義でやれるかもしれないが、中堅以下はこれから相当変わらなければならない」と釘を刺す。

 一つの解決策として考えられるのが、メーカー間のゆるやかな連携だ。同じ成分のGE薬を各社が横並びで少量ずつ製造するのではなく、製造する品目を分担する。連携によって各社は少数の品目を大量に製造する体制に変わり、コスト削減を果たす。さらにブランドの共通化も実現できれば、ラベルや包装も同じもので済み、在庫の無駄もなくなるという。

 今後そんな連合体が形成されるのか、その間もなく淘汰が進むのか。10年後には結果が出ているだろう。




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