今日から幕張メッセで開催されている「JAPANドラッグストアショー」。今回で18回を数える同展示会は、今年も様々な商品やシステム等が出展され、さらにイベントやセミナーを通じて「セルフメディケーション」のさらなる理解促進を図っていく。
日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)によると、ドラッグストア業界は2017年の数字で6兆8000億円(前年比5.5%増)を超え、わが国の小売業で最も成長している“実店舗”業態とされている。JACDSでは「今後は超高齢社会に貢献する社会インフラ業態となるため、2025年に業界規模10兆円、3万店舗(17年で1万9534店舗)を目指す」としている。
これを実現するためには、調剤を含め様々な取り組みが欠かせないが、中でも「商圏の狭小商圏化と人手不足への対応」、そして「地域の健康・快適生活のための専門性の強化とキメ細かなサービスの提供」といった、コストとオペレーションにおける“経営矛盾”を解決することが必要となる。
この矛盾を解決する最も可能性の高い手段として、小売業で注目されているのが「電子タグ(RFID)」の活用で、流通革命の基盤とも位置づけられる。JACDSでは経済産業省と協力して、このRFIDの研究および導入・推進活動を行っていくことを決めており、今回のドラッグストアショーでは主催側テーマブースの中に、RFIDを実際に体験できるモデル店舗(模擬店舗)も用意し、業界関係者の理解を促している。
RFIDの提案に限らず、テーマブースは今回も主催側の“熱い想い”が込められている。「ドラッグストア業界が社会・地域に適応しながら進化成長していく姿を見てほしい」(JACDS関係者)としており、「食と健康」の新市場創造、社会と生活者が求める「街の健康ハブステーション構想」実現に向けた取り組み、地域高齢者支援の実施などの概要と課題を紹介している。
テーマブースで注目したいのが、キャンピングカーを改造した“走る薬局”といえるモバイルファーマシーの紹介で、岐阜薬科大学で「地域医療薬学寄附講座」を開設しているウエルシアグループが協力した。ウエルシア薬局では講座を通じ、在宅医療で活躍する訪問薬剤師の養成や課題だけでなく、薬局機能を搭載した機動力のある災害対策医薬品供給車両「モバイルファーマシー」を、過疎・高齢地域、災害地域を含めた地域医療で活用すべく模索している。
ドラッグストアが地域の生活拠点となるためには、まずは地域住民の身近な場所として、認識されなくてはならない。さらには“災害時にも医療支援と生活支援が同時に提供できる場所”であるため、どのように変化していくか。その一端を、ぜひ会場で感じてもらいたい。