◆武田薬品が約8800億円を投じて米バイオ企業のミレニアム・ファーマシューティカルズを買収した。癌領域の強化を進めてきた武田が、一気に過去最大の投資で勝負に出たことは、いかに新薬不足と主力製品の特許切れが、重くのしかかっているかを改めて浮き彫りにした
◆米国での消化性潰瘍治療薬「プレバシド」、糖尿病治療薬「アクトス」の相次ぐ特許切れには、後継品の「TAK‐390MR」「SYR‐322」が申請済みだが、大型化を期待された高脂血症治療薬「TAK‐475」は開発中止に追い込まれている
◆今回の買収劇は、TAK‐475の開発中止とは無関係とされているが、生活習慣病から癌領域・抗体医薬への明らかなシフトは、新薬不足が深刻化していることの裏返しと見れなくもない
◆昨年来、国内製薬大手の大型買収が相次いでいるが、米バイオ企業には未知数な部分も多い。長期的には、自社の創薬力を高めない限り、持続的な成長は難しい。今後も様々な再編劇があるにしても、吸収合併の繰り返しだけでは、イノベーションを標榜する研究開発型製薬企業として、成り立たなくなる日も遠くないだろう。
創薬力を高めよ
2008年04月16日 (水)
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