中外製薬は、血友病A治療薬「ヘムライブラ皮下注30mg、同60mg、同90mg、同105mg、同150mg」(一般名:エミシズマブ)を新発売した。血液凝固第VIII因子の先天的な欠乏や機能異常により血液凝固が正常に進まず、重篤な出血症状が反復して生じる先天性血友病Aに対して使われる。
ヘムライブラは、中外独自の抗体改変技術を用いて創製された抗血液凝固第IXa/X因子ヒト化二重特異性抗体で血液凝固第VIII因子機能代替製剤。活性型第IX因子とX因子に結合し、血友病Aで欠損、機能異常を来している第VIII因子の補因子機能を代替する。
重症型の先天性血友病Aの25~30%で治療効果を減弱するインヒビター(中和抗体)が生じるといわれているが、自己注射が可能な週1回の皮下投与により、出血の抑制を実現できる抗体医薬品として期待されている。インヒビターを保有しない血友病Aに対しても4月に国内申請している。