エーザイは、早期アルツハイマー病(AD)を対象に開発中の抗アミロイドβプロフィブリル抗体「BAN2401」について、第II相試験「201試験」の結果に基づき、米FDAとの協議を行い、条件付き承認申請を目指す方向だ。ADには治療方法がなく、新薬開発にも症例の組み入れが難航し、長期の試験期間を要することから、早期の新薬上市が待ち望まれている。「201試験」で設定した主要評価項目は達成していないが、副次評価項目でアミロイド蓄積量の減少や臨床症状の進行抑制でプラセボ群に対する統計学的な有意差を示したことで、「交渉の余地がある」と判断した。今年度内には開発の方向性を明確にするとしている。
「201試験」は、アミロイドの脳内蓄積が確認されたADによる軽度認知障害と軽度AD856人を対象としたプラセボ対照二重盲検試験。被験者はプラセボ投与群、実薬投与群として、2週間に1回投与の2.5mg/kg、5mg/kg、10mg/kg、月1回投与の5mg/kg、10mg/kgと、5用量5群に割り付けられた。「BAN2401」の有効性や最適投与レジメンを効率的に見出すため、中間解析の結果によってより可能性が高い投与群への割り付け比率を自動的に高めるベイジアン・アダプティブ・ランダム化デザインを採用した。
* 全文閲覧には、薬事日報 電子版への申込みが必要です。