エーザイは、神経変性疾患の研究機関である英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)との共同研究の成果として、最初の臨床候補品となる新規抗タウ抗体「E2814」のアルツハイマー病(AD)を対象とした第I相試験に関し、今年度中の実施に向けた準備を開始した。米バイオジェンとの連携を通じて、早期ADを対象に抗アミロイドβ抗体「アデュカヌマブ」、BACE阻害剤「エレンベセスタット」、抗アミロイドβプロトフィブリル抗体「BAN2401」が開発後期段階に入っているが、ADの有望な創薬標的と考えられているタウ伝播種に対する抗体医薬品を新たに臨床入りさせることになった。
「E2814」は、ADを含むタウ蛋白の脳内沈着を示す神経変性疾患の総称となるタウオパチーに対する疾患修飾薬として開発され、エーザイとUCLの共同研究を通じて見出された。タウ伝播種を標的とするよう特徴的に設計されており、神経原線維変化のさらなる脳内蓄積を防ぎ、病気の進行を抑制する。認知症領域の開発パイプラインがさらに拡充された形だ。
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