米CRO大手のパレクセル・インターナショナルは、臨床試験の電子化が進む中、薬剤の臨床評価だけではなく、生活の質や服薬のしやすさなど幅広い観点から患者の治療成果(アウトカム)を電子的に評価するシステムとして、「eCOAシステム」を日本市場で展開していく。スマートフォンやタブレットPCなどの電子端末を通じて、その臨床試験の目的に合致した患者に対する質問票を自動的に作成でき、臨床試験プロセスに統合するのが狙いだ。パレクセルのメディカル&サイエンティフィックアフェアーズを統括するピーター・シュタイガー氏は、本紙のインタビューに対し、「現在、日本語バージョンを作成中で、日本は他の国に比べ早い段階からeCOAの提供を始めていく。これまで収集できない患者の声を、薬剤の評価に生かし、医薬品開発のデザイン段階から関与していきたい」と語った。
eCOAは、その薬剤が患者にもたらす医療・社会的な便益をIT技術を用いて評価するシステム。これまでは被験者が病院に来院し、治験薬投与後に行う検査から、薬剤の有効性・安全性を評価してきた。しかし、今後は臨床試験の検査結果からは反映されない生活の質や服薬のしやすさなどの価値を測定するニーズへと多様化し、臨床試験の評価ツールとしてeCOAに注目が集まっている。
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