希少癌治療の開発体制整備へ
国立がん研究センターは、希少疾患である内膜肉腫を対象に、第一三共のMDM2阻害剤「DS-3032b」(ミラデメタン)の有効性・安全性を評価する世界初の医師主導治験に乗り出した。根治が望めず、標準治療法も存在していない内膜肉腫に対する新薬開発を目的とした臨床試験は世界初で、昨年12月に希少癌の新薬開発などを産学共同で行うプロジェクト「MASTER KEY」の一つとしてスタート。2021年まで同センター中央病院で実施する。今回の試験により、希少癌の新規治療開発体制を整備し、国内の希少癌領域における臨床開発を活性化させたい考えだ。
内膜肉腫は、筋肉や骨の非上皮性細胞から発生する悪性腫瘍である肉腫の一つで、心臓や肺動脈など体の循環を司る大血管から発症する希少疾患。同疾患の約6~7割で、癌抑制遺伝子であるp53の作用を抑える蛋白質「MDM2」の増幅が見られる。
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