◆国内バイオベンチャーの治験失敗は新興株式市場に大きな衝撃を与えた。サンバイオが大日本住友製薬と共同開発する慢性期脳梗塞を対象とした細胞医薬品「SB623」の米国後期第II相試験で、有効性の主要評価項目未達という速報結果だ。患者も成功報告を待ちわびたが、冷酷な結果となった
◆その直前に発表した外傷性脳損傷の日米第II相試験で主要評価項目を達成し、類似する慢性期脳梗塞でも「成功するのでは」と楽観視するムードもあった。株価は多くの投資家を惹きつけ、1月29日に引け最高値の1万1710円を付けたが、その後4日連続のストップ安。2410円まで下落した
◆時価総額は一時6000億円近くまで達した。期待感で大きく膨らんだ企業価値が、たった一つの試験結果で約8割も縮小するのがバイオベンチャーのビジネスだ。逆に成功していれば、株価はもっと急騰していただろう
◆サンバイオと大日本住友は開発を諦めておらず、詳細な試験解析後に方向性を決める。イノベーションは失敗から生まれる。ぜひとも成功の糧にしてほしい。
イノベーションは失敗から
2019年02月22日 (金)
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