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【厚労省】医師養成数“増加”へ転換”「安心と希望の医療確保ビジョン」まとめる

2008年6月19日 (木)

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舛添厚労相
舛添厚労相

 厚生労働省は18日、“医療崩壊”が危惧される医療体制の緊急対策と中長期対策を盛り込んだ「安心と希望の医療確保ビジョン」をまとめた。医師不足対策として医師養成数を増加させる政府方針の転換や、地域の医療施設が役割分担して患者を地域全体で診る「地域完結型医療」などを提言した。医師の増員は効果が出るまで時間がかかることから、当面は医師の勤務形態の改善、院内での薬剤師など他の医療職とのチーム医療を進め、併せて地域の医療施設との役割分担を明確化することで、医師の負担を軽減すると共に、医療サービス向上に結びつけたい考え。同省は、骨太の方針や来年度予算要求に反映させる方針だ。

 ビジョンは、舛添要一厚生労働相主導で1月に設置した会議で医療関係者のヒアリングや実地視察などを踏まえ検討してきた。

 政府は、医療費の増加を抑制するため医師養成数を減らしてきたが、報告書は、「医師の勤務状況は過重」として、「総体として増加させる方向」に転換することを提言。根拠となっている1997年の閣議決定を見直す必要があるとした。

 しかし、医師数を増やすには時間がかかるため、個々の病院の実態にあった適正な医師数を確保するため、「必要医師数の算定方式の見直しを含め、医療法標準を見直す」ことを提案。さらに「短時間正社員制度」の導入や非常勤医師の活用など多用な勤務形態を認めることで、女性医師の離職防止や特定の医師への過剰な負担をしないよう求めた。

 併せて、院内業務を医師に集中させるのではなく、薬剤師など他の医療職種と分担をより徹底させることで負担の軽減を図ることを提言。その中で薬剤師については、「病棟での薬剤管理や、医師・看護師と患者・家族の間に立ち服薬指導を行うなどの業務の普及に努める」ことが盛り込まれた。

 病院に患者が集中する「医療機関完結型医療」から、地域の医療施設が役割分担して患者を診る「地域完結型医療」への転換を提言した。その中では特に、たらい回しなどで国民の不安がある救急医療の強化の必要性を指摘し、患者の重症度などに応じて治療の優先順位を決める「トリアージ」を、地域全体で行う仕組みを求めた。「地域全体の各医療機関の専門性の中から、病状に応じた適切な医療を提供できる医療機関又は院内の診療科へ効率的に振り分ける体制を整備する」と打ち出した。

 そのため、「管制塔機能」を持つ医療機関を決めると共に、地域の医療機関の専門性は住民を含め共有できるようにすることとした。

 「地域完結型医療」では、在宅医療・介護に対する各種サービスとの連携を求めた。薬局については、「夜間・休日の対応、患者宅への医薬品・衛生材料等の供給、緩和ケアへの対応等を確実に実施するため、地域における医薬品等の供給体制や、医薬品の安全かつ確実な使用を確保するための服薬支援を行う体制の確保・充実に取り組む」とした。在宅医療・介護サービスに関する情報提供窓口としての機能にも期待を寄せた。

 舛添厚労相は会議終了後に会見し、「大きな方向付けができた。実行が最大の課題だ」と述べ、予算獲得に全力を上げる姿勢を示した。

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