政府は21日、「2019年春の褒章」を発令した。主な受章者は次の各氏。
文部科学省関係
紫綬褒章
重川秀実(筑波大学教授、64歳)=応用物理学分野において、フェムト秒の時間分解能と原子レベルの空間分解能を併せ持つ新しい顕微鏡技術を世界で初めて成功するなどの業績を挙げた。
井ノ口馨(富山大学教授、64歳)=神経科学分野において、記憶形成メカニズムについて最先端の研究を進め、記憶が長期間、正確に蓄えられる仕組みを明らかにするなどの業績を挙げた。
佐藤隆一郎(東京大学教授、63歳)=食品化学分野において、コレステロール代謝調節の新たな分子機構を明らかにし、脂質代謝制御機構や生活習慣病発症機構の理解を大きく進展させるなどの業績を挙げた。
畠山昌則(東京大学教授、62歳)=細菌学・腫瘍学分野において、ピロリ菌が保有する病原因子CagAが細菌由来の発癌因子であることを発見し、CagAによる胃癌発症機構の解明を通し、胃癌の革新的な治療法・予防法の基盤を構築するなどの業績を挙げた。
酒井敏行(京都府立医科大学名誉教授、66歳)=癌標的医学分野において、癌抑制遺伝子である網膜芽細胞腫遺伝子(RB)の量的異常が、癌の発生に関わるという新たな発癌機構を解明すると共に、独自に分子標的薬のスクリーニング方法を考案し、革新的な癌治療薬である新規MEK阻害剤トラメチニブなどを発見するなどの業績を挙げた。
平本和夫(日立製作所研究開発グループ技術顧問、66歳)=癌治療分野で、高周波出射法を用いた粒子線治療装置を開発、実用化するなどの業績を挙げた。