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新型インフルエンザの感染拡大シミュレーションが発表された。三菱総合研究所、千葉大学大学院、国立感染症研究所などが共同で行ったもの。感染場所としては学校が主となり、早い時期の学校閉鎖が感染のピークを遅らせたり、ピーク時の感染者数を分散させるのに役立つことが明らかになった。電車の運休は、感染発生後早い段階に行わないと、流行を抑える効果が低いことも分かった。
シミュレーションは、東京駅周辺で10人の感染者が発生したと仮定。JR中央線沿線に在住する8800人が、学校や仕事などで移動する中で、感染が沿線に拡大していくことを想定した。対策としては、2週間の電車運休、2週間の学校閉鎖、ワクチン接種という3つの方策を用意した。
何も対策をとらない場合、流行のピークは最初の感染から6週間後で、感染者数は全体の34%に達した。一方、流行開始から4週間後に中央線を2週間運休しても、感染率は32%で大きな違いはなかった。ただし、感染の3日後に運休を行った場合には、ピークを1週間遅らせる効果があった。
学校閉鎖した場合の感染率も32%だったが、感染後3週間以内に閉鎖すれば、感染のピークを2週間程度遅らせ、ピークを2つに分散できるため、医療機関等の過度の負担を回避できる効果が期待できるとした。
プレパンデミックワクチンの接種では、免疫獲得率を30%と仮定すれば、流行前にワクチンを接種した場合、感染率は20%に抑えられた。
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