厚生労働省は11月29日、エーザイの抗てんかん薬「E2082」の国内第I相試験に参加した20代男性の死亡例について、「治験薬との因果関係は否定できない」との調査結果を公表した。投与終了後に自殺願望などが見られたことを踏まえたもの。ただ、同社と治験実施医療機関が適切な措置を取っていたとし、「GCP省令から重大な逸脱は認められなかった」とも結論づけた。厚労省は、エーザイと実施医療機関に改善を求めると共に、関係業界に留意事項をまとめた文書を発出する考え。
被験者は、同剤の第I相試験に参加し、1日当たりの最高用量を10日間反復投与され、投与中は軽度~中度の眠気や浮動性めまいなどが見られたものの、それ以外は特段の異常を訴えずに退院した。
その後、退院当日に被験者が自主的に再来院し、幻視や幻聴を訴えたが、治験責任医師は受け答えがはっきりしており、容態が安定していたことなどから、経過観察を決定した。
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