国立国際医療研究センター病院AMR臨床リファレンスセンターは5日、薬剤耐性菌(AMR)による2017年の年間死亡者数が約8000人に上ったとする研究結果を発表した。AMRによる死亡者数の公表は国内初で、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)で4224人、フルオロキノロン耐性大腸菌(FQREC)では3915人が死亡した。同センターは「日本でもAMRが大きな被害を及ぼしていることが明らかとなり、AMR対策の重要性を改めて認識させる結果」とコメントしている。
今回の研究では、AMRのうち発生頻度が高いMRSAとFQRECについて、17年の1年間の死亡者数を推定値で算出した。MRSA菌血症による死亡者数は、16年の4298人から4224人に減少した。近年の黄色ブドウ球菌血症全体の死亡者数は横ばいで、黄色ブドウ球菌に占めるMRSAの割合が低下していることから、MRSA菌血症による死亡者数が減少した。
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