日本医薬品登録販売者協会会長 樋口俊一
登録販売者の合格者は20万人を超えていると言われておりますが、登録販売者を活用した健康寿命延伸策の主張はできていない状況にあります。超高齢社会、人口減少時代を迎えたわが国において、登録販売者が果たさなければならない役割とニーズはますます高まります。そのことを登録販売者自身と企業に理解を求めていきます。
また、地域における既存登録販売者団体との連携も進めており、滋賀県と長野県の団体は日登協への参加、研修受講が始まっています。都道府県の登録販売者組織によっては継続した組織運営が厳しいという声が上がっているところもあると聞いています。引き続き連携した取り組みを進めていきます。
一方、薬事監視指導は地方行政に委任されており、地域・地方組織の活性化には地方行政情報の入手や地方行政とのコミュニケーションは不可欠です。登録販売者に必要な情報を伝えるため、地方自治体との連携を考慮し、未だ日登協県支部のない県に地方組織の設立も進めていきます。
年間12時間以上の研修学習が義務づけられた厚生労働省外部研修ガイドラインに対応した研修を徹底します。
本年は東京オリンピックが開催されます。時節を反映して、本年4月からの研修は薬業研修センターのご協力により、スポーツと薬物(ドーピング)や訪日外国人対応として海外と日本のOTCの違い、また近年の気候変動による熱中症や対処法について研修内容に入れていただく予定です。
国民の健康を守る議論は医療保険制度の中だけに偏りがちです。医療保険制度外の政策も総動員していかなければ、現在の難局を乗り越えていくことができないと思います。
解決策の一つがセルフメディケーションの推進です。現在、第1類医薬品は薬剤師のみが販売することができます。一定の知識を持つ登録販売者がいても薬剤師が不在であれば販売できないことに対して、生活者から不便さを指摘するご意見もあります。
薬剤師が店舗にいて、その管理のもと、登録販売者も第1類医薬品の販売ができるように働きかけるなど、職能団体としての日登協の役割を発揮し、職能団体としての活動を推進するために必要な組織強化および関連事業の実施を検討していきます。