日本製薬団体連合会保険薬価研究委員会は11日、エーザイチーフガバメントリレーションズオフィサーの赤名正臣氏を委員長に選任した。赤名氏は同日に開いた記者会見で、「新型コロナウイルスの感染拡大で情勢がめまぐるしく変化する中、イノベーションの推進と医薬品の安定供給確保に邁進していきたい」と抱負を述べた。重点課題に据える中間年改定への対応については、「新型コロナウイルスの影響を受けている状況下では行うべきではない」との考えを強調した。
赤名氏は、4月の薬価制度改革について、「新薬創出等加算の企業要件、品目指標で一定の改善が見られた」と評価した。
ただ、再算定ルールについては「さらなる強化が行われた」と述べ、効能追加後のイノベーション評価を課題に挙げた。今後、薬価制度の抜本改革以降に実施された新薬創出等加算と再算定の見直しによる影響を検証し、対応を検討していく考えだ。
新薬収載時のイノベーション評価については、「先駆け審査指定制度により、世界でも革新的な新薬が出てくる。革新性を評価する仕組みが求められ、有用性加算など加算体系を考える必要がある」と語った。
一方、長期収載品と後発品の薬価のあり方にも言及。赤名氏は「後発品の使用促進や医薬品の安定供給への影響を注視しつつ、基礎的医薬品の薬価を下支えするルールとの関係を踏まえた検討を行っていきたい。それぞれのルールを単独に捉えるだけではなく、相互の関係性を踏まえた検討を行う必要がある」と述べた。
なお、副委員長には上出厚志氏(アステラス製薬)、石牟禮武志氏(塩野義製薬)、平野秀之氏(第一三共)、広田敦嗣氏(大日本住友製薬)、岩下圭二氏(武田薬品)、藤原尚也氏(中外製薬)、宮原京子氏(ファイザー)の7人が選任された。