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荒川の動植物に鉛蓄積‐「ひかり薬局」が検証

2008年09月22日 (月)

羽田薬局長
羽田薬局長

 東京都江東区にある「ひかり薬局」(羽田雅行薬局長)は、地域河川敷の植物、運河生息の魚が地域住民に日常的に食されていることから、環境調査を行い、環境基準を上回る高濃度の鉛蓄積を確認した。調査結果を踏まえて、江東区議会に対し、区民の「健康と安全」を守るべく早期に確認調査を行うよう陳情書を提出した。詳細な分析結果は今秋、鹿児島で開催される日本薬剤師会学術大会で発表される。

 ひかり薬局は東京都の下町を中心に調剤薬局をチェーン展開するフォーラル(本社:東京都江東区、松村達代表取締役社長)の1店舗。

 ひかり薬局を含めた同社各店舗では独自に、地域住民を対象にした健康相談、糖尿病教室などを定期的に実施するなど、地域の疾病予防や公衆衛生の向上に取り組んでいる。

 今回、ひかり薬局の羽田氏らは、その活動の場所を薬局からフィールドへも展開した。今年1月から8月にかけて、荒川河川敷内の自生植物、特に地元でヨモギ餅として食されているヨモギや周辺土砂、さらに区内運河生息のハゼと川底の泥土を採取し、有害重金属の一つ「鉛」に焦点を当て、専門の分析会社への依頼も含め、定性試験および定量試験を行った。

 その結果、ヨモギからは最大測定値0・5mg/lと、環境基準値の50倍にも達する鉛が含有されていることを確認した。また、近隣河川である小名木川から採取したハゼからは0・2mg/lと基準値の約20倍、しかも孵化後506カ月という幼魚から検出された。詳細な調査成績は、10月初旬には明らかになる予定だ。

ヨモギの採取
ヨモギの採取

 羽田氏は、「ホームページなどでも『荒川河川敷で採取したヨモギの食の薦め』など多数のサイトで紹介されている。ハゼやヨモギ餅など、地域住民が日常的に食べることが多いと知り、気になって調べようと思った。薬剤師の業務は調剤が中心だが、地域住民のために公衆衛生面にも取り組んでいく必要がある」と実態調査・分析に取り組んだ思いを語る。

 既に、江東区議会へは、この調査報告書と「荒川河川敷内の自生植物及び区内運河生息の魚における高濃度の鉛の蓄積汚染状況の実態調査・公表を求める陳情」書を提出し、区民や近隣住民の“健康と安全”を守る観点から、早期に確認調査実施を求めると共に、その結果を公表し、注意喚起をするよう求めている。

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