米FDAが脊髄性筋萎縮症に対する初の経口治療薬を承認

2020年08月26日 (水)

FDA

 米食品医薬品局(FDA)は8月7日、生後2カ月以上の脊髄性筋萎縮症(SMA)患者の治療薬として、経口薬のEvrysdi(一般名リスジプラム)を承認したことを発表した。SMAの治療薬としては2番目になるが、経口薬としては初の承認である。

 SMAは遺伝性の疾患で、筋力の低下や筋肉の萎縮を特徴とする。運動ニューロンの正常な機能の維持には、survival of motor neuron(SMN)タンパク質が必要であり、これは通常、SMN1遺伝子から産生される。ところが、SMAのある人では、SMN1遺伝子の変異や欠失によりSMNタンパク質が十分に作られなくなるため、SMN1遺伝子の重複遺伝子であるSMN2遺伝子からSMNタンパク質が作られる。しかし、この遺伝子から産生されるタンパク質のほとんどは、不完全であるという。

 Evrysdiは、SMN2遺伝子から産生されるSMNタンパク質量を増加させるように作られた、SMN2スプライシング修飾剤と呼ばれる薬剤で、1日に1回、経口投与される。

 承認は、乳児期発症型および遅発型SMA患者を対象にした2件の臨床試験の結果に基づいている。1件目の非盲検試験FIREFISHは、2パートから成り、21人の乳児期発症型SMA患者(試験開始時の平均年齢6.7カ月)を対象としたもの。Evrysdi投与開始12カ月時点で、患者の41%が支えなしで5秒以上座ることができた。この結果についてFDAは、未治療の場合は、疾患の進行により、ほぼ全ての乳児が支えなしで座ることができないため、これは意味のある改善だとしている。さらに、投与開始から少なくとも23カ月後には、患者の81%が永続的な人工呼吸器の装着を必要としなかった。

 2件目のランダム化プラセボ対照試験SUNFISHは、2〜25歳の遅発型SMA患者180人を対象としたもので、Evrysdi投与開始12カ月時点の運動機能を、MFM32(Motor Function Measure 32)合計スコアにより評価した。その結果、ベースラインからのスコアが、プラセボ群では0.19低下していたのに対し、Evrysdi投与群では1.36上昇していた。

 Evrysdiの副作用として頻繁に生じるものは、発熱、下痢、発疹、口内炎、関節痛、尿路感染症である。乳児期発症型SMAの患者では、上記の副作用に加え、上気道感染症、肺炎、便秘、および嘔吐が認められる。また、FDAは、同薬剤の服用患者に、MATE(多剤・毒性化合物排出)基質薬と一緒に服用することは避けるよう警告している。

 FDA医薬品評価研究センターのOffice of Neuroscienceでディレクターを務めるBilly Dunn氏は、「SMA治療薬としては、4年足らず前に最初の治療薬が承認されたが、経口治療薬の承認は、Evrysdiが初めてである。この承認により、SMAという壊滅的な疾患に侵されている患者に、重要な治療選択肢がもたらされることになるだろう」と述べている。

 なお、Evrysdiの承認は、Genentech社に対し与えられた。(HealthDay News 2020年8月10日)

Source
https://consumer.healthday.com/public-health-information-30/drug-approval-news-214/fda-approves-first-oral-drug-for-spinal-muscular-atrophy-760274.html

(参考情報)
Press Release
https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-approves-oral-treatment-spinal-muscular-atrophy


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