◆新型コロナウイルス感染症のワクチン接種をめぐる動きが活発化している。中国では7月から医療者などに緊急投与を開始し、ロシア政府も承認に踏み切った。トップダウンで政策を実行可能な国だからこそ決断できたのだろう
◆それでも、欧米のメガファーマによる開発が途中であることや第III相試験を行わずに承認したことなどから、安全性や有効性を疑問視する声も多いのは当然とも言える。経済活動と感染防止の両立にワクチンは必須だが、万が一、副反応に苦しむ人が現れれば本末転倒になる
◆国内では政府がメガファーマと開発後の供給契約を結ぶなど、接種のイメージが具体化してきた。国民の不安払拭のため迅速に進めることは理解できるが、承認に向けて万全の準備が必要なことは言うまでもない
◆「石橋を叩いて渡る」国民性は、決定を遅らせる弱みがある半面、リスクを軽減できる強みにもなる。ワクチン開発に携わる全ての関係者にエールを送ると共に、改めて生命を左右する業務であることを再認識してほしいと思う。
新型コロナワクチンをめぐる動き
2020年08月31日 (月)
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