米食品医薬品局(FDA)は8月31日、ハイブリッド型クローズドループインスリンポンプ「MiniMed 770Gシステム」の適応を拡大し、2~6歳の1型糖尿病患児への使用を認可したと発表した。
MiniMed 770Gシステムは、血糖値を5分ごとに測定する連続血糖測定機能と、その測定結果に基づき最適な速度でインスリンを自動注入するインスリンポンプが一体化した製品。ハイブリッド型クローズドループインスリンポンプと呼ばれるデバイスで、既存のMiniMed 670GシステムをBluetooth対応にするなどの変更を加えたバージョン。
体に取り付けて皮下の浸出液の糖濃度を測定し血糖レベルを算出する血糖センサーと、同じく体に固定するインスリンポンプ、およびインスリン注入パッチで構成されている。本システムを用いると、患児の親など療養の介助にあたる人が、スマートフォンによって、子どもの血糖値を随時確認することができる。また、血糖値が設定した範囲を逸脱すると、アプリケーション経由で通知を受け取ることが可能。さらに血糖変動やインスリン注入速度などの諸データは、離れた場所にいる医師とも自動で共有される。
今回のFDAの適応拡大承認は、2~6歳の1型糖尿病患児46人を対象とした臨床試験のデータに基づくもの。研究に参加した患児に、このデバイスを身に着けて約3カ月間生活してもらった。外泊などを含めてさまざまな負荷をシステムにかけ性能を評価した結果、深刻な有害事象は認められず、安全に使用できることが確認された。
本デバイスの使用に関連するリスクとして、低血糖、高血糖、注入パッチ周辺の皮膚の発赤などが挙げられる。また、2歳未満の子どもやインスリン投与量が1日に8単位未満の子どもには禁忌。なお、FDAは今回の承認にあたりメーカーに対し、2~6歳の子どもの実生活での使用に関する市販後調査の実施を求めている。(HealthDay News 2020年9月4日)
(参考情報)
Press Release
https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-approves-first-its-kind-automated-insulin-delivery-and-monitoring-system-use-young-pediatric