万有製薬は23日、2009年12月までにつくば研究所を閉鎖すると発表した。これに伴い、万有製薬のつくば研究所で行われていた基礎研究活動は、他の研究拠点に移管されることになる。
今回のつくば研究所の閉鎖は、米メルクが発表した基礎研究のグローバル運営戦略に基づくもの。新戦略では、 糖尿病・肥満、動脈硬化・循環器疾患、筋骨格系・呼吸器系・免疫系・内分泌系疾患、癌、ニューロサイエンス・眼疾患、ワクチン、感染症の領域別フランチャイズを一つの拠点に統合し、基礎研究を前臨床・臨床開発と同じ拠点で進めることになった。
さらに、基礎研究の拠点を統合し、09年12月までに米国のシアトル、イタリアのローマ、日本のつくばの3拠点を閉鎖する。つくば研究所の閉鎖に伴う社員約450人の処遇については、現在対応を検討しているという。
ファイザー、ノバルティスが国内研究所を閉鎖し、外資系企業が日本から撤退するケースが相次いでいる中、万有製薬もつくば研究所を閉鎖する決断に至った。一方、日本での基礎研究活動を重視する企業も見られるなど、外資系企業の研究開発戦略は二分されつつあり、今後日本での研究活動をどう位置づけるかが大きな焦点になってくる可能性がある。
関連リンク