シンポジウムの概要
オーガナイザー
河野健一(京大化研)
中瀬生彦(阪府大院理)
ペプチドを基盤とした中分子創薬の発展は目覚ましく、標的分子への高い結合力と特異性に加えて膜透過性を付加した高機能化ペプチドが多数開発されている。ペプチドを主体とする中分子創薬は、低分子医薬品と抗体医薬品が不得意とする領域を補完する重要な役割を担っている。
現在、上市されている主なペプチド医薬品は生理活性物質が中心であるが、薬物送達の観点で特定分子への標的機能を付加した機能性ペプチドの研究も盛んに行われている。
機能性ペプチドと薬物を組み合わせることで、標的部位への特異的な薬物送達だけでなく、目的とする薬効を必要な部位で必要な時間に発揮することが可能となるため、薬物活性の高効率化に貢献する。
こうした背景から、生体応用に向けて、種々の生体分子が共存する分子夾雑空間でも標的分子を高度に認識する能力を有する高機能性ペプチドの開発が望まれている。
本シンポジウムでは、新たな視点と発想に基づく標的型機能性ペプチドの開発と応用研究について議論したい。
(河野健一)