メディシノバの多発性硬化症治療薬「MN‐166」(一般名:イブジラスト)のライセンス導出交渉が大詰めを迎えている模様だ。現在、複数の欧米製薬企業と交渉が進行中で、既に導出候補先が絞られつつあるという。4月に発表した第II相試験の結果を受け、導出交渉を進めてきた同社だが、年内には契約が締結される可能性が濃厚になってきた。
「MN‐166」は、杏林製薬の気管支喘息・脳血管障害治療薬「ケタスカプセル」をメディシノバが導入し、多発性硬化症治療薬として開発を進めていたもの。競合品に比べて副作用が少ないことに加え、経口投与が可能なことから、新たな多発性硬化症の治療選択肢として期待が集まっている。
4月には、第II相試験で良好な成績が得られたことを受け、年内の導出を目指して交渉を進めてきた。同社は、まだ現段階では交渉中としているが、順調に進めば年内にも欧米製薬企業との導出契約が締結できる見込みだ。仮に契約が成立した場合、「MN‐166」の導出に関する契約一時金、ロイヤリティーは、メディシノバと杏林製薬が65%:35%の割合で分割する。「MN‐166」は、上市後5年で1200億円の売上を見込んでいる。
一方、キッセイ薬品から導入した切迫早産治療薬「ウテメリン」の改良版で、気管支喘息治療薬として開発中の「MN‐221」は、年内にも後期第II相試験(単盲検)の結果が発表される予定だ。
この結果をもとに、2009年の早い段階で200例規模の後期第II相試験(二重盲検)をスタートさせ、09年下期には1600例規模の第III相試験を開始したい考え。「MN‐221」についてはメディシノバが自社開発する。早ければ10年下期に承認申請を行い、上市後5年目には600億円の売上を目指している。