欧州各国で作られている薬草系リキュールの一つであるアブサン。その原料であるニガヨモギから、抗ウイルス活性を見出した国内スタートアップ「美商堂製薬」は、主に化粧品や雑貨品の原料としてニガヨモギ由来成分を訴求している。既にヒト免疫不全ウイルス(HIV)の抑制効果を確認しており、昨年9月に特許取得に至った。今後は、新型コロナウイルスに対する効果のエビデンス取得も目指し、長期的な展望としては、製薬企業と連携した医薬品開発も視野に入れる。
美商堂製薬は、植物や天然物を活用した原料や素材を開発するスタートアップで、開発製造受託やコンサルティングも並行して手がけている。アブサンで着想を得てから約20年を経た2016年に、スイスのアブサン栽培協会とニガヨモギの供給に関する協定を締結し、ニガヨモギ由来原料のビジネスを本格的に開始。同協会からニガヨモギを調達し、国内で抽出工程を行い、原料として化粧品メーカーなどに供給している。
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