第54回日本薬剤師会学術大会
座長
日本薬剤師会常務理事
亀井美和子
千葉県薬剤師会薬事情報センター長
飯嶋久志
臨床研究に取り組む薬剤師は年々増えているが、その研究成果は果たしてエビデンスとして活用されているのだろうか?医療が研究と共に進展するように、薬剤師が関わる薬物療法や薬学的管理は、薬剤師が取り組む研究によって発展するはずである。しかし、薬学教育を担う大学での研究のうち、薬剤師業務に目を向けた研究はまだ少なく、薬剤師となるまでに臨床研究のノウハウを身に付ける機会は少ない。
日本薬剤師会臨床・疫学研究推進委員会では、薬局薬剤師の臨床研究を推進するために、倫理審査体制の支援や全国研修会等を行っているが、「臨床研究に取り組む薬剤師をさらに増やしたい」という熱い想いで、本分科会を企画した。
まず、日本薬剤師会の宮崎長一郎副会長に「エビデンスに基づく薬剤師業務 現状と目指す姿」と題して、薬剤師が臨床研究に取り組む必要性、薬剤師による臨床研究の活用状況等について講演していただく。次に、日本薬剤師会臨床・疫学研究推進委員会の山本康次郎委員長に「薬剤師に必要な研究倫理について」と題して、研究活動をする上で知っておかなければならない研究者が守るべき倫理規範とその考え方についてお話いただく。
また、東京理科大学薬学部の鹿村恵明教授に「研究テーマの設定と研究計画の立案」と題して、主に薬局で行う臨床研究の進め方についてお話いただく。さらに、北里大学北里研究所病院の氏原淳副部長に「研究倫理審査について」と題して、2021年6月30日に施行された「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の留意点と、倫理審査の手続き等についてお話いただく。最後に、福岡市薬剤師会の林田諭氏に「成果発表について」と題して、研究成果を発表することの意義等をご自身の経験を踏まえてお話いただく。
このシンポジウムにぜひ参加いただき、臨床研究を身近に感じていただきたい。
(亀井美和子)