「ハイブリッドモデル」を提供

片岡氏
サイネオス・ヘルス・コマーシャルは、主に医薬情報担当者(MR)を提供する従来型のCSO事業に加え、リモート・エンゲージメントを組み合わせた「ハイブリッドモデル」の提供によって顧客に最適なプロモーション活動の実現を目指す。今後はサービス品質をさらに向上させ、社員の働き方改革の取り組みも強化することで差異化されたサービスモデルを提案していきたい考えだ。ディプロイメントソリューションズバイスプレジデント&ジェネラルマネージャーの片岡惠連氏は「サービスの進化と社員の働きやすさとの両立がサービス品質を磨くことにもつながる」と強調する。

森山氏
同社は、医薬品・医療機器の営業担当者をアウトソーシングするCSO事業、MSLのアウトソーシングを主とするメディカル・アフェアーズ事業に加えて、知識やスキルを提供するトレーニング事業の三つのサービスを主に展開している。
CSO事業では、昨今の市場の変化を捉え、特にオンコロジー領域をはじめとするスペシャリティ領域を強化している。年々案件が増えており、ビジネスも順調に拡大しているようだ。
片岡氏は「スペシャリティ領域のMRサービスは各社が提供しているが、問題は中身。質として顧客の期待値を上回るサービス価値を提供できるかどうかだ」と強調する。
同社は、著名なKOL医師をコアメンバーとするMR育成組織を構築し、MRの能力開発に投資すると共に、顧客とは業績・活動KPIを事前に合意し、その達成度合いに応じたMR・SR報酬制度を導入することでモチベーションと達成意欲を喚起。そのほか、様々な社員のエンゲージメント向上策を展開している。
また同社では、在籍MRに対して、サイネオス・ヘルスのグローバルの知見を活用したリモート・エンゲージメント・トレーニングを実施し、顧客ニーズに合わせ、リモートおよび対面の営業活動を柔軟に使い分けることができる人材を提供している。
リモート専任の場合は在宅勤務で対応できることから、社員の働き方の多様性を実現することにも役立っている。
ディプロイメントソリューションズコーポレートプランニングシニアディレクターの森山洋二氏も「コロナ禍を受けて、ハイブリッドモデルは確実に進むだろう」と自信を示す一方、「MRのディテーリングは重要。特に処方に関わる医師の意思決定に大きな影響を与えるようなコミュニケーションは、従来通りMRの重要な役割だ。MRがリアルとデジタルを医師のニーズに応じて柔軟に使い分けることで、より実効性のあるハイブリッドモデルの構築を支援していきたい」と話す。
CSO市場については「受け身ではなく、われわれが需要を作っていくことが重要だ。CSOは、顧客の変革を促す触媒的な役割もあり、経営環境が激変している現在において、その役割は増していると考えている。顧客満足の最大化を通じてCSOの価値向上および市場拡大につなげたい」と意欲を示す。
今後、各サービスの価値をさらに高め、サービス品質を向上させていきたい考えである。片岡氏は「全ての案件で顧客が求める目標やKPIをクリアしていくことに関しては、大方合格レベルまで到達したと思っている。さらに引き上げていくため、MR個々の能力向上に加えて、ISO9001の要件を基礎とするプロジェクトマネジメント力についても徹底的に磨いていきたい」と意気込みを語る。
森山氏も「CSOとして、より良い働き方ができ、より多様な人材を活用できる場を提供していきたい。ハイブリッドモデルの時代は、それを受けられる余地がますます拡大してくるので、その点を顧客に対して積極的に提案していくことが、まさにCSOの『触媒』としての役割ではないか」と訴えている。
サイネオス・ヘルス
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