大洋薬品工業は10日、同社が製造販売している装着型点滴薬「静注用フラゼミシンS(2gキット)」に、別の点滴の薬剤を装着した疑いがあるとして、自主回収を始めたと発表した。
今回、回収対象となった製品は、昨年8月から同12月までに全国81の医療機関に納入された約1万個。健康被害の報告はないが、この薬剤が誤って使用された場合、患者によってはアナフィラキシーショックなどの重篤な健康被害を引き起こす可能性もあるという。
点滴薬は、急性気管支炎や肺炎に使われる抗生物質製剤で、注射用水と薬剤を混ぜ合わせて使う。医療機関から、キットを溶解した液が異常な着色をしているとの報告を受け、製品を確認したところ、バイアル部分に誤って「インダストキット」という別の製品の薬剤が装着されていたことが分かった。
これまでに同様の報告は受けていないものの、他にも混入があった可能性が否定できないとして、同社は同時期に出荷された製品の回収に踏み切った。
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