旭化成メディカルは16日、米装置会社「テクニクロム」を買収すると発表した。同社が製造販売するウイルス除去フィルター「プラノバ」とテクニクロムの装置を融合することで、需要が高まるバイオ医薬品の製造プロセス事業を本格的に拡大したい考えだ。新会社は「旭化成テクニクロム」として、3月1日から米国で事業を開始する予定。買収額は公表していない。
旭化成メディカルは、生物製剤の製造工程に用いられるウイルス除去フィルター「プラノバ」の製造販売を中心に事業を展開してきたが、最近はバイオ医薬品の需要が増加し、開発を手がける大手製薬企業等から質の高い製造技術が求められていた。
こうした需要増に対応するため、同社は大分工場の増設に動き出していたが、今回の買収でテクニクロムの分離材、装置技術を取り入れることにより、バイオプロセス事業のさらなる拡大が見込めると判断した。
これにより、旭化成メディカルはバイオ医薬品開発のメッカである米国に、バイオプロセス用装置の製造販売やシステム開発の拠点を確保することになる。
テクニクロムは、1994年に米国イリノイ州に設立されたバイオプロセス装置会社。従業員は約30名で、昨年度の売上高は約10億円。
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