米FDAは2月25日(現地時間)、印ランバクシーのパオンタ・サヒーブ工場で製造した後発医薬品の審査を停止すると発表した。FDAは昨年9月、ランバクシーの製造工程に深刻な欠陥があるとして、同社製品約30品目の一時輸入停止措置を行っていたが、新たに簡易承認申請に必要な安定性試験データの一部を改ざんしていたと判断。ランバクシーに対し、該当製品の承認再申請か承認取り下げを迫る事態に発展した。
FDAは昨年9月以来、ランバクシー製品の輸入停止措置を継続し、同社の製造工程に関する調査を行ってきた。その過程で、パオンタ・サヒーブ工場で製造された製品から、簡易承認申請に必要な安定性試験データの一部改ざんが新たに見つかった。そのため、同工場で製造された製品の審査中止を通告した。今回の審査中止は、FDAが申請資料の健全性を検討するAIP(Application Integrity Policy)に基づくもので、虚偽データの提出に対する強い指摘となっている。
1月に来日し、記者会見したランバクシーのマルビンダ・シンCEOは、輸入停止措置への対応として、製造拠点を移管する方針を示していた。しかし、今回の通告はデータ改ざんへの措置という重いもので、これまで指摘されていた製造工程の問題とは全く異なる。
今後、ランバクシーは親会社である第一三共と対策チームを設置し、次のアクションに向けた検討を急ぐ考えだが、FDAはデータ改ざんに該当する製品について、承認再申請か承認取り下げの選択を迫っており、米国での販売再開は先行き不透明な情勢になってきた。