◆国内製薬大手の中で沈黙を保っていたアステラス製薬が、米CVセラピューティクスの敵対的買収に動き出した。心疾患系薬に強いCVを買収し、米国市場を強化するのが狙いだが、免疫抑制剤「プログラフ」の米国特許切れを考えれば、この選択肢は理に適ったものといえる
◆ただ、株式公開買い付け(TOB)に踏み切ったとはいえ、CVが買収提案を頑なに拒否している点が気になる。CVは大幅な赤字に陥っているが、それを上回るメリットがあるからこそ、訴訟を起こしてまでTOBを行うのだろう
◆しかし、現時点では、敵対的買収に成功しても待ち構える壁は高い。両社が協調することは、まず考えにくい。経営陣を総入れ替えしたとしても、マネジメントが円滑に進む保証はなく、不透明感は否めない
◆国内製薬大手をめぐっては、武田薬品―ミレニアム、第一三共―ランバクシー、エーザイ―MGIと巨額の買収劇が展開されたが、いずれも双方の合意によって成立している。リストラも行わず、企業文化の異なる相手を尊重してシナジーを追求するという方針もほぼ同じである。その意味で、アステラスとCVの攻防は、今後の再編地図を占う意味でも予断を許さない。
アステラスとセラピューティクス
2009年03月06日 (金)
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