オーガナイザー
広瀬明彦(国立衛研)
大野彰子(国立衛研)
従来の素材とは異なる物性や反応性を有する先端的材料であるナノマテリアルは、ナノテクノロジーの進展に伴って工業製品、化粧品、食品・食品添加物、医薬品等への利用が可能となり、世界的な需要が高まっている。一方で、従来の素材とは同一成分でも異なる物性や反応性を有する多様なナノマテリアルの生体影響については未だ不明な点も多く、ヒトへの健康影響に関する様々な評価法の開発が欧州を中心に進められている。
さらに近年は、従来の素材にナノマテリアルを複合的に組み合わせることで、これまでにない革新的な機能を持つ先端材料(アドバンスドナノマテリアル:AdMa)への注目が高まってきており、特に食品や医薬品分野等でAdMaを利用した製品開発・商品化も進みつつある。このようなAdMaの利用拡大も受け、ナノマテリアルを含む先端材料のヒト健康影響評価法の開発は急務の課題となっている。
本シンポジウムでは毒性研究における様々なアプローチ(in vivo/in vitro/in silico)によるナノマテリアルの有害性評価手法の開発に向けた取り組みと課題について議論をしたい。
(大野彰子)