厚生労働省医政局経済課は、「革新的医薬品・医療機器創出のための5カ年戦略」の改定版を公表した。デバイスラグ解消に向け、2013年までに審査人員を104人にまで増やすほか、医療機器の特性に応じて審査プロセスを明確化する3トラック制を導入し、審査方式の合理化を図ることなどを新たに盛り込んだ。
5カ年戦略は、世界最高水準の医薬品・医療機器を国民に迅速に提供することを目標に、2007年4月に策定されたもので、今回の一部改定は、昨年12月に「医療機器の審査迅速化アクションプログラム」がまとまったことを受けて行われた。改定は、08年5月に続き2回目となる。
改定5カ年戦略では、アクションプログラムに基づいて、審査人員を現行の35人から69人増やし、104人にすることを盛り込んだ。また医療機器を、▽新医療機器▽改良医療機器▽後発医療機器””に分類した上で、各審査プロセスの特性を踏まえ、審査方式の合理化を図る3トラック審査制を導入する。
医療ニーズが高く実用可能性のある革新的な医療機器について、開発の効率化のためのガイドライン策定を進めるほか、「医療機器の臨床試験の実施に関する基準」(GCP省令)に関する運用改善を行い、医師主導治験の円滑化も図る。
また、▽後発医療機器に関する同等性審査方式の導入▽治験終了前に生物学的安全性試験や性能試験などを評価する事前評価制度の導入▽承認基準、審査ガイドラインの策定、承認申請不要な「軽微な改良」の範囲の明確化、治験を必要とする範囲の明確化など、審査基準の明確化を図る▽原則、全てのクラスII医療機器を第三者認証制度へ移行する――ことなども盛り込んだ。