◆薬害事件で知られるサリドマイドが、多発性骨髄腫治療薬として国内承認申請された。今年は、薬害エイズの民事訴訟和解から10年目に当たり、一般薬販売の規制を抜本改正する薬事法の成立もあった。こうした中での申請は偶然とはいえ、教訓めいたものを感じる
◆サリドマイドには、胎児成長障害の副作用がある。それを事前防止できずに薬害事件となったが、一般薬で起きたことは銘記すべきだ。薬事法も、薬害を踏まえ安全対策強化のための改正がなされたが、薬害はその後も断続的に起こっている。法改正が安全を保証するものでないことは、国も企業も医療従事者も、心に刻み込む必要がある
◆安全は、法律と現場の不断の注意の合わせ技で確保するもの。今回申請した藤本製薬は、同剤の安全管理システムを検討するとし、国は登録システムを近く試行する。被害者の間宮清氏は「使用薬剤の登録と安全使用は異なる」と指摘し、安全使用に必要なシステム作りは、過去の経緯から公の場で、国主導で進めることを求める
◆サリドマイドは、薬の正と負の両面を極端に見せる。その使用管理は、薬害防止への試金石に思える。
「サリドマイド」
2006年08月11日 (金)
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