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【文科省】臨床に強い薬剤師養成‐11件の新プログラム実施

2006年08月15日 (火)

 文部科学省は、2006年度「地域医療等社会的ニーズに対応した質の高い医療人養成プログラム」の選定結果を発表したが、この中では今年度の目玉として、「臨床能力向上に向けた薬剤師の養成プログラム」11件が採択された。今回は単独・共同合わせて55件の申請があったが、選ばれた11件(単独10件、共同1件)の取り組みは、いずれも独創性の高い試みで、大きな成果が期待されている。11件の概要は次の通り。

◇京都大学「先端医療の育・創薬を先導する薬剤師育成」

 担当は佐治英郎氏(薬学研究科教授)。医療や科学知識基盤の習得だけでなく、経営や行政能力の涵養をも目標とした学部6年一貫の教育プログラムを構築し、前期課程として五つの課題からなる医療薬学統合プログラムを新たに構築する。

 プログラムは、?薬学情報ナビゲーションシステムを基盤とした医療情報教育と、IT関連知識・技能の習得?自立型学習を基盤としたチュートリアル教育?薬剤師職能の総合的早期体験学習――などからなり、これらを少人数インタラクティブ教育を通じて実践し、多様な薬剤師職能の現場で先導的に、高度医療及び先端的育創薬を担う薬剤師を育成する。

◇広島大学「実践的ヒューマンコミュニケーション教育”薬剤師の基盤となる倫理観・使命感・対話力の醸成」

 担当は太田茂氏(医歯薬学総合研究科教授)。薬学教育の初期段階において、倫理観、使命感を身に付けさせた上で、患者や他職種の医療スタッフとコミュニケーションが十分に行える薬剤師を養成するのが目的。

 ?倫理等を幅広く学習し、コミュニケーションの基本的技能を習得する知識教育プログラム?患者の辛さを実感し、他職種間でのコミュニケーション能力を習得するプログラム?倫理観・使命感を基盤として、患者とのコミュニケーションの中から解決策を考えるプログラム――という三つのステップを柱として、取り組みを進める。

◇徳島大学:医療の現場と直結した薬剤師養成教育の実践

 担当は高石喜久氏(薬学部教授)。附属病院と連携した臨床薬学講座を核に、医・歯学部、統合医療教育開発センター、附属病院と連携して推進する。

 103年次には生涯を通じて学習する習慣を身に付けさせる学生参加型医療薬学科目の導入、全医療人に求められる人間力やチーム医療等に関する医療系学部共通科目の修得。406年次には臨床能力を備えた先端医療薬学科目等の充実、薬学部教員には医療人としての再教育システムを構築し、教育課程と教育システムの改革を行う。これを通じて「モノとしての薬が分かる薬剤師」にとどまらず、「患者さんのこころが分かり、問題解決能力のある薬の専門家」を養成する。

◇岐阜薬科大学:附属薬局を活用した臨場感溢れる実践教育”人間性豊かな安全で確実な薬物療法を提供できる実践型薬剤師の養成

 担当は足立哲夫氏(薬学部教授)。附属薬局を最大限に活用し、「真の臨場感溢れる薬学教育」の実践を目指すもの。附属薬局に加え、新たに教育方法の具体策を立案・実行し、効果の評価と改善提案を行う「グリーンファーマシー教育推進センター」、育薬研究のほか、附属薬局で収集した生きた題材を教育に提供する「育薬研究センター」をそれぞれ設置し、教育・研究のダブル支援体制を構築する。

◇北海道薬科大学:臨床能力を育む地域体験型学習とその支援

 担当は市原和夫氏(薬学部教授)。北海道全域の病院・薬局で早期体験学習を行い、また医療行政施設、介護・養護施設での生活支援及び医療活動へ参加する。このような体験を通して、北海道における地域医療への理解を深め、地域医療、特に過疎地医療への参画を志向する学生を養成し、医療人としての基本センスと倫理観を醸成すると共に、患者と共感できる薬剤師を養成する。

◇共立薬科大学:薬学生の実践型教養教育推進システムの構築”臨床能力向上へのヒューマニティ・コミュニケーション教育の実質化

 担当は中島恵美氏(薬学部教授)。薬剤師として不可欠な人格形成の基盤となるヒューマニティ・コミュニケーション教育に取り組む。

 ?ヒューマニティ・コミュニケーション教育の実質化(103年次の段階的カリキュラムを少人数グループ学習で実践及び効果の検証)?学習プログラム(103年生の早期現場体験及び社会体験の実践、発表、評価)?学習支援ITネットワークシステムの構築(??の学習履歴を基にした学生記録ファイルの作成と教育への応用、学習成果と資料及び医療倫理アーカイブスからなるライブラリー構築、学内外からアクセス可能な対話討論支援システムの開発)――などに取り組む。

◇昭和大学:チーム医療の有用性を実感する参加型実習

 担当は木内祐二氏(薬学部教授)。学部学生の時期から、チーム医療で活躍できる薬剤師の養成を目指す。そのため学年ごとに段階的な目標を設定する。

 1年次はチーム医療の大切さに対する「共通基盤の構築」、2年次は「共同作業の開始」、3年次は「専門性の相互理解」をテーマとし、その実現のため学部横断的な参加型学習を各学年で積極的に取り入れる。

◇明治薬科大学:柔らかな心と臨床能力を育む薬剤師早期教育”病む者の心の理解から電子カルテ活用まで

 担当は越前宏俊氏(薬学部教授)。1、2年次を基礎知識の習得と医療人の心の形成期とし、教育が知識偏重とならず、「柔らかな心」と「高いコミュニケーション能力」を持つ医療人の養成を目標とする。

 教育環境の面では、実際の医療機関における薬剤師の活動環境を反映した設備で実施するため、電子カルテシステムサーバと基本ソフトを06年度に学内に導入し、06007年度にかけて症例情報コンテンツを構築。08年度にはシステム端末器及び付属設備が、同年完成予定の総合教育研究棟(仮称)に設置され、医療薬学演習などに利用する。

◇名城大学:臨床医学の素養をもつ薬学生育成プログラム”プロフェッショナルとしての臨床薬剤師の養成を目指して

 担当は野田幸裕氏(薬学部教授)。臨床医学の基礎を系統的に教育し、薬剤師として医師と十分コミュニケーションできる能力を身に付けさせる。

 授業は講義形式とPBL(問題解決型授業)形式を組み合わせた「ハイブリッド型PBL教育」を導入し、知識の獲得と能動的学習能力の習得を目指す。また、上級学年生と下級学年生が学び合うエイジ・ミキシング法により、勉学に対するモチベーションの向上を目指す。連携医療施設と双方向通信システムを発展させ、医学教育の導入と種々の疑似参加型体験学習を行う。

◇九州保健福祉大学:臨床能力を有する実践型薬剤師教育の推進”バイタルサインと薬学的診断法からのアプローチ

 担当は高村徳人氏(薬学部教授)。病院薬剤業務の中で、特に医師から期待される臨床能力を持つ薬剤師を養成するため、ベッドサイドにおける実習内容の充実に焦点を当てる。

 バイタルサインや褥瘡の色・匂いにより、最適な薬物投与計画を考えさせるシステムの構築、医師が処方する薬の投与全般を検証し、臨床検査値について薬学的観点から判断を下し、薬学的診断を盛り込んだ薬物治療を考えることのできる教育システムを構築する。

◇東京理科大学ほか(参画11校):全国的薬学教育グリッドの構築

 担当は宮崎智氏(東京理大薬学部教授)。薬学CBTシステムの設計と運用に積極的に協力してきた東京理大が中心となり、複数の大学と連携して、共用試験のコンピュータネットワークを活用しながら、高度な臨床能力と共に、研究的素養を効率よく習得できる学習システムの構築と、その評価を行う。




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